TOEICで「スコアを取る」ことの意味
TOEICは何だか難しそう…。SNSでは「TOEIC満点講座!」とか、本屋さんでも「満点を狙える~」みたいなタイトルのものが目に入って、どうも敷居が高くて手をつけられてないんだよ。
確かにね。でも、TOEICの良さは「合格か不合格か」じゃなくて、スコアが段階的に出てくれるところ。受ければ必ず目に見える形で結果が出る。必ずしも「満点じゃないと!」みたいには考えなくてもいいんだよ。それに、点数ごとにある程度の恩恵が受けられるよ。例えば、高校生では大学受験の加点要件だったり、大学では英語の単位に認定してくれたり、社会人にとっては昇給や転職の可能性も広げてくれる、立派な「資格」なんだ。
なるほどね。でも、600点とか800点とか、ある程度のスコアを取るには、「資格勉強」で大切な「暗記力」より、「英語力」があるかどうかが決め手になるんじゃないの?
実は、「英語力」に自信が無い場合でも、「資格試験」として暗記や問題演習を繰り返せば、試験のクセや傾向もわかってくるし、800点までは取ることができるんだ。高校英語の知識がある程度あれば、そこにビジネス語彙や表現の知識を加えて、特有の英文読み上げスピードや時間配分を工夫すれば、2ヶ月で800点を目標にしても十分現実的だと思うよ。
ほんとに?そっかぁ。まぁ、高校の英語はほどほどにできたし、勉強するのは嫌いじゃないから、2ヶ月頑張って今よりも良い環境になるなら、頑張ってみようかな。
僕も同じようにちょっとでも環境を変えたくて少しずつ勉強したんだよ。だからその経験も誰かの役に立てると嬉しいな。2ヶ月間、1日1~3時間くらいの勉強時間を目安にして、参考書を使いながら単語・文法・リスニング・実践問題をバランス良く同時進行させていく勉強法を紹介するね。よかったら参考にしてみてね。
大学生の私がTOEICと出会い、確立した勉強法
私は、留学経験が無く、公立小中高、私立大学と進んできたいわゆる「純じゃぱにーず」です。高校では授業と部活で一日が終わる日々でした。部活を引退した高校3年の夏、大学受験のために英語の勉強し始めました。なんとか大学には合格し、大学1年生で英検2級を取得しました。
そんな私がTOEICに出会ったのは、大学で所属したESS(英語研究部)でTOEIC講座が開かれたとき。後に3年生になった私は、このTOEIC講座で講師をするまでになりました。解法や試験のクセ、スコアアップの方法など、自分自身や仲間との研鑽から見いだした方法を共有し、みんなでスコアアップしていくのが楽しみでした。
記念すべき、私のTOEIC初受験の結果は、、、
500点(汗
英語の単位認定の基準スコアより100点も低い点数だった自分に唖然としました。広告など巷で見る700点や800点が自分でも取れると思っていたのです。心が折れかけた私でしたが、熱心に指導してくださる先輩方のおかげで、そこから2ヶ月で700点までスコアを上がることができました。
就職後、「TOEICのスコアが800点あれば昇給できる」という情報を入手。大学の時に使っていた教材を引っ張り出し(思い出が詰まっていたので実家の本棚に飾ってありました笑)、もう一度、同じ方法で勉強を始めました。
そして2ヶ月後、自己ベストとなる、870点を記録!!見事昇給を果たしました!!
今は、990点(満点)に向けて学習している私ですが、同じように「大学受験」、「単位認定」や「昇給・転職」といった人生のステップアップに挑む方々に少しでも有益な情報をお伝えできればと思い、記事にすることにしました。大学の時に出会った仲間・先輩への感謝を忘れず、いろんな方にスコアが伸びる喜びを実感してほしいと思っています。
TOEIC勉強法 ~ 2ヶ月で200点UP ~
私の勉強法をまとめると、以下の通りになります。
- 単語+文法+リスニング+実践問題 の4点セットで学習
- 単語「ターゲット1900」「キクタンTOEIC800」
- 文法「頻出英文法・語法問題1000」
- リスニング「極めろ!リスニング解答力」
- 実践問題集「TOEIC公式問題集」
- (毎日)
- 「ターゲット1900」 50個/日 で 38日
- 「キクタン800」 50個/日 で 23日
- 「極めろ!」 5問~10問/日 試験まで繰り返す(シャドーイング中心)
- (平日~土)
- 「頻出英文法・語法問題1000」
- 月 1章問題解く(例:[1]時制)⇒解答解説を熟読
- 火 月曜の復習(解き直し)
- 水 1章問題解く(例:[2]態)⇒解答解説を熟読
- 木 水曜の復習(解き直し)
- 金 1章問題解く(例:[3]助動詞)⇒解答解説を熟読
- 土 金曜の復習(解き直し)
- 「頻出英文法・語法問題1000」
- (日~平日+土)
- 「TOEIC公式問題集」
- 試験前1ヶ月からなら毎週、試験前2ヶ月からなら2週に1回(⬅おすすめ)
- 日曜に2時間確保して問題を解く
- 月曜~土曜までで全ての問題を解説読んで解答ポイントを復習
- 試験前1ヶ月からなら毎週、試験前2ヶ月からなら2週に1回(⬅おすすめ)
- 「TOEIC公式問題集」
TOEICでスコアUPのための必須条件:TOEICの語彙の特徴を理解
まず、TOEICに出てくる語彙(単語や表現)と、私たちが中学・高校で学んできた語彙は、どんな違いがあると思いますか?実は、そんなに違いがないのです。TOEICは日常の会話や情景描写等の表現が出題されます。これは、高校の定期テストや大学受験の問題にも出題される同じ語彙で対応できます。そして、そこにTOEICのテストで用いられる語彙として、「ビジネス」の分野で用いられる英単語や表現が加えられているイメージです。「ビジネス」とは、会議や従業員といった高校でも習う単語に加え、旅行日程「itenerary」や保険適用範囲「coverage」など、あまり見たことのない語彙も出題されています。したがって、高校や大学受験で学ぶ英語も出題されるが、加えて、TOEICのスコアを上げようとすると、「ビジネス」に関係する語彙も勉強する必要があります。
TOEIC勉強の基礎であり最も大切なこと:単語と文法の学習法
単語学習:ターゲット・キクタン2ヶ月3周学習法
基本的には英語を見て日本語(一番上の訳)に直せればOK。英語を見て日本語訳1つをすぐにわかるようになることを目標にしましょう。リスニング対策としても耳から英語を聞いて日本語訳がわかることが大切なので、音声と一緒に覚えましょう。
①1週目は、1日で、ターゲットを50個、キクタンを50個の計100個を、英語を見ながら日本語を言うスタイルでテストしていきます。
ターゲットは38日、キクタンは23日で1周することができます。間違った単語やよく間違う単語には印をつけておき、翌日、3日後、7日後、2週間後に再テストするようにします。そうすると、1ヶ月と1週間経って1周するころに6割程理解できているようになります。
②2週目に突入します。ここからはスピードを倍速させます。ターゲット100個、キクタン100個の200個を1日でテストしていきます。ですが面白いことに、時間はそれほどかからず、間違う単語もかなり減っているようになります。ターゲットは14日、キクタンは12日で1周できます。
③3週目に突入します。ここでは、2週目で×がついた単語を集中的に覚えていきます。この段階で覚えられていない単語は、じっくり書いたり発音したり、なんどもつぶやいたりしてなんとか頭にすり込む努力が必要になります。ここまでくれば、後は試験直前まで1つでも多く英単語を覚えられるようにとりくんでください。
文法学習:試験形式&幅広い知識を獲得する勉強法
①1週目は、各大問([1]~[19])ごとに
(前半)問題を解く⇒答え合わせをする⇒正解の問題に○間違った問題に×を書く
(後半)⇒解説を読む⇒間違いの理由も含めて、正解の根拠を理解する
を繰り返す。前半を1日、後半を翌日1日確保して繰り返す。日曜日は1週間分の復習&予備日とします。
②2周目は、大問2つずつ解いていき、同じ手順で進みます。(正解した問題も一緒に解くことをおすすめ)
日曜に×が一つ、×が二つ、そのた○だけどあまりわかっていない問題を重点的に復習する
「短期間集中」TOEIC学習法のおすすめ教材
単語帳
高校英語レベル~TOEIC初級レベルまで広く網羅
『英単語ターゲット1900』
特徴
・レイアウトが見やすい。適度な余白と、青と赤中心の淡いカラーコーディネート
・TOEICで出題される語彙の学習としても使える
・英語の学習から遠のいている人は、語彙が少し難しいと感じるかも
おすすめの理由
・英単語の網羅性
TOEIC初心者からTOEIC上級者まで幅広い層の学習者に合った内容で、
日常語彙からビジネス語彙まで幅広くバランス良く英単語が収録されている
継続して学習していくとしっかりとした語彙力が習得できる
・持ち運びしやすくすぐに学習に取りかかれる
サイズが小さく鞄などに収納しやすい。
学習をする場所を選ばないので、ちょっとした隙間時間で学習を続けられる
・高校での学習、大学受験で使う人も多く、TOEICへの接続に適しているスムーズな移行ができる
ビジネス単語(ビジネス語彙を効率よく習得)
『キクタンTOEIC L&R 800』
特徴
・CDの音声読み上げが単語⇒フレーズ⇒例文で収録されているので学習しやすい
・TOEICの頻出度が高い英単語が収録されており、スコアに直結する
・TOEICで出題される例文が載っており、実践的な語彙の使用例がわかる
・レイアウトがはっきりしており、1対1対応の暗記がしやすくなっている
おすすめの理由
・即効性
一つ目の意味を覚えておくとTOEICの英文が理解できるほど学習効果がある
・コロケーションが豊富
intend to do や be curious about など、単語同士のつながり(コロケーション)の知識も収録されており、単語を文の中でどんな風に使えば良いか、使われるかが効率よく学べる
・熟語の種類が豊富
単語帳の後半に熟語コーナーが有り、頻出度の高い英熟語が収録されている
文法問題集
網羅性と解説の濃さが学習の質を高めてくれる1冊
『全解説 頻出英文法・語法問題1000』
特徴
・問題部分と解説部分が取り外せるようになっていて、問題部分を開きながらあ解説をよむことができる。
・解説がとても丁寧で、問題部分の3倍のページ数で構成されている。
・並べ替え問題などの応用力をつけるのにも最適
・「時制」「態」など、カテゴリーに分けてかなりの問題量をこなすことができる。
・網羅性がある。これ1冊でTOEICで出題されるほぼ全ての文法表現に対応している。
リスニング問題集
実践形式の音声を何度も聞いてTOEICの読み上げスピードに慣れる
『極めろ!リスニング解答力』
特徴
・実践形式の収録音声で実践さながらの練習ができる。
・パートごとによくでる表現などがまとめられている。
活用法
・問題を解く
実際にCDに合わせて問題を解いていく。解答解説でどの表現、どの部分が解答の根拠になっているのか、キーワードの位置や音に注意して復習する。
・ディクテーション
流れる英文を1文、半文、2~3語程度で止め、聞こえてきた音声を実際に書き出してみる。3回~5回聴き直し、それでも書き出せなかった部分はかすクリプト(原稿)を見ながらCDの音声を聞いてマネて発音してみる。そうすることで、はっきりと英文が聞き取ることができるようになる。
・シャドーイング
英文を聴いて、聞こえてきた音声に2~3語後から続いて同じように発音していく。影(シャドー)のように遅れないように同じスピードで同じように発音・抑揚ができるようになるまで練習する。そうすることで、はっきりと英文が聞き取ることができるようになる。
実践問題集
「公式」の問題集で、最新の試験傾向を踏まえた実践練習を
『公式 TOEIC L&R 問題集 vlo.8』
特徴
・なんといっても本番を想定した練習ができる。
「公式」問題集の方が良いのか?
TOEICの本番形式を想定した実践問題集は多数出版されています。ですが、私は「公式」を使用することをお勧めします。やはり、テストを作成する団体が「公式」を出版するものなので、表現や語彙、問題のレベルなどが本番さながらに作られており、最も本番を想定した練習ができるからです。
これはあくまで個人的な感覚ですが、個人の方や民間の団体が出されている実践問題集の中には、「簡単すぎる」ものや「難しすぎる」ものなど、本番の形からは遠いクオリティのものも出版されています。応用力をつけるという点においては使用価値はあるとは思いますが、あえてそちらを選択するメリットは小さいと思います。
ちなみに公式問題集は「vol.8」まで出版されていますが、試験内容や傾向も更新改訂されていっていますので、試験前に取り組むなら、最新の公式問題集が良いかと思います。ただ、注意していただきたいのは、問題数自体がそこまで豊富ではないので、1~2回分くらいは試験前に取っておいて、試験1週間前に1度、試験3週間目に1度、くらいのタイミングが復習の時間や定着の時間を考えるとベストなタイミングだと思います。
さいごに
最後までご覧いただきありがとうございました。
TOEIC学習は900点までは誰でも「慣れ」れば到達することができるのではないかと感じています。
そんな私でも、「短期間」で「集中」して、TOEICという「資格試験」に「慣れ」ることができたので、スコアが伸びたのだと思っています。
「TOEICが取れても英語が話せないと意味ないよね~」なんて、私の同僚もつぶやいていますが、私の目標はあくまで「昇給」。その目的を達成するための「手段」でありました。その割り切りも大事だと思います。資格と割り切って詰め込むことも…。でも、900点近く取ってわかったことは、800点を超える頃には、しっかり英語を聞き取れて、しっかり話せるようになっているということ。
TOEICのスコアはあくまで数字です。ですが、その数字の裏には、必ず「英語力」がついてきています。今は想像がつかなくても、一定のスコアを超えた先にある景色を楽しみに、とにかく目標スコア目指して頑張りましょう!
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