英検1級に60日で合格した話~合格までのスケジュール・使用教材・学習方法・合格のポイント~

勉強法

こんにちは。

この度、2023年度第3回英検合格することができ、晴れて念願の英検1級ホルダーとなることができました。

この記事では、英検1級に合格した経験から、スケジュールや使用教材、勉強法など合格体験記としての感想を述べていくことになりますが、まずは私、りと(Rito)がどんな人物か、簡単に自己紹介をしたいと思います。

自己紹介:「Rito」ってどんな人?

私は、X(旧Twitter)を中心に英語学習の過程を発信しています。英語教育に興味があり、より良い英語教育を求めて英語講師として活動する一面もあります。

プライベートでは、1歳になる娘と妻との3人暮らしで、妻も私が英検を受ける事に対してとても応援してくれています。

平日フルタイムで勤務する仕事に就いており、平日の夜と土日は家で家族との時間を大切にしています。

主な学習時間は、通勤時の車内2時間と、子どもを寝かしつけた後に深夜に行う学習が2時間の、計4時間(1日平均)あります。しかし、疲れて寝てしまったり、家族の行事(今の時期は娘の初節句や誕生日、確定申告など)や年度末の仕事の追い上げ等で作業をすることが多く、1日1時間も学習できない日もあります。

そんな、まとまった学習時間を取れない環境ではありましたが、スキマ時間を活用したり、たまに集中して長時間学習したりしながら、結果的に60日で英検1級に合格できました。

この記事が、同じような環境に身を置かれている人や、英検1級を受験しようと考えている人にとって有意義なものになることを願って、記録していきたいと思います。

英検とRitoとの関係性:今回の受験に至った経緯・きっかけ

私と英検との関係は、10年前に遡ります。

10年前、私は大学生でした。中学高校と、定期テストや大学受験対策として英語を学習していました。日本の一般的な公立進学校で一般的な成績にとどまる普通の生徒でした。

ただ、大学受験対策を通して英語と真剣に向き合い、英語に対する苦手意識はなくなる程度まで、英語力は向上されていました。

大学1年生になり、「ESS:English Studying Society」という、英語を使ってスピーチやディスカッション、ディベートや英会話などの活動をする部活に勧誘され、入部することになりました。

それが、私と英語との本当の関係性の始まりだったと思います。

前置きが長くなりましたが、大学1年生の時に「英検2級を受験しました。そして、無事に合格できました。大学2年生から4年生まではESSの活動と時々TOEICを受験するなど定期的に学習しており、大学4年生の時に、「英検準1級」に合格することができました。

社会人になり、すぐに「英検1級」を受験しましたが、1次試験でこっぱみじん…それも、ボコボコにされたようなショックで本当に落ち込み、同時に、「英検1級は普段使わないような難しい英単語や内容が出題されるし、取っても意味が無い、時間がもったいない。」と自分に言い聞かせて、英検の受験は今日まで引き延ばされてきました。

なのに、なぜ、今になって「英検1級」を受験しようと思ったのか?

それは、英語を学習している者として、「やっぱり、取りたい」と純粋に長年の夢としての想いがわき上がってきたからです。

もちろん、英検1級を取得すれば、全国通訳案内士の英語科目が免除になるなど、使い道を考えたり調べたこともありました。しかし、単純に、英語が好きで英語とこれからも付き合っていきたいと思ったときに、どこか、ものたらないような、何かを忘れているような焦りにも似た感覚が湧き上がってきたのです。

そんな、はっきりしない理由ですが、結果的に合格した今、その想いが満たされると同時に、英検1級対策として学習する過程を通してわかった、英語学習の本質が垣間見えたような気がします。

次の項目からは、英検1級の申し込みから合格を勝ち取るまでのスケジュールを紹介したいと思います。私の場合、申し込みをしてから実質60日の学習で、合格することができました。今まで少しずつ積み重ねていた文法などの基礎知識があったとは言え、3年間は全く英語に触れていないブランク期に受験をし、60日の学習で合格できたのは、奇跡と思えるような、でも、効率的に、実に現実的・実践的に対策学習ができたと思います。

英検1級の受験スケジュール全体像:申し込み~試験まで60日で合格

今回の受験回:2023年度第3回

今回、私が受験した英検の概要をお伝えします。

  • 2023年度 第3回検定
  • 受験級:1級
  • 申込日:12月12日(火)
  • 1次試験:1月21日(日)@和歌山会場
  • 2次試験:3月 3日(日)@天王寺会場

前述のように、私が受験したのは、2023年度の第3回です。2024年度の試験から新形式となり、要約問題が出題されることになっていますので、今回受験したのは旧形式、つまり、要約問題が無い、最後の試験となります。旧形式の間に受けておきたいというわけではありませんでしたが、結果的に旧形式最後の試験を受けることになりました。

旧形式を合格できたので、いづれは、「旧形式でも新形式でも合格している」という状態になれる可能性ができたのも、嬉しかったです。

スケジュール:申し込み~1次試験まで

話を戻して、私が申し込みをしたのが、12月12日でした。申込締め切り日が近くギリギリの申し込みだったと思います。英検の勉強に限らず、英語の勉強はこの申し込みした日まではやっていませんでした。申し込みをしてから学習を始めたので、1次試験まで約40日の期間がありました。

12月12日に申し込んでから1次試験までの40日間はクリスマスを始め、年末年始を含んでおり、家族で過ごす時間も多く、1日の中でまとまった時間を学習にあてることはそう簡単なことではありませんでした。しかし、後に述べる学習教材と方法をあれかじめ決めておき、時間ができればすぐにとりかかるようにしていました。

スケジュール:1次試験~結果発表~2次試験

1月21日の1次試験を終えたら、1次試験の結果発表があった2月5日まで、2次試験の学習はしませんでした。なぜかというと、旧形式試験の特徴で1級の2次試験は、20歳以上は3月3日と決まっていました。その3月3日は、娘の初節句を催す予定でした。2次試験について調べたところ、面接の時間はランダムで設定され、決して変更はできない、とのこと。私は、ほぼ受験は不可能だと思い、2次試験を受けるつもりはありませんでした。

2月5日の試験結果発表後、2次試験の案内が届く2月13日まで、もちろん、勉強はしていませんでした。2月13日の受験案内が届き確認すると、なんと午前中の試験(10時頃)ではありませんか!すぐに会場までの所要時間などをシュミレーションし、初節句のお祝いの時間になんとかギリギリ間に合うことがわかりました。

2次試験に進んだこと、午前中に面接を終えてお祝いには間に合うことを妻に伝え、妻の意見を聞きました。すると、「是非受けて欲しい」「受けられる権利があるなら、勉強の成果を発揮した欲しい」と背中を押してくれました。妻のおかげで、2次試験に向けての学習モチベーションが向上し、それから本気で合格することを目標に設定して、学習を再スタートさせました

2月13日(2次試験の案内到着)から3月3日まで、20日間の間、スピーキング特化の学習を続けました。スピーキングが苦手で、2~3度心が折れ、「これは無理やな、、、」と自分に自信をなくしたこともありました。しかし、「やるからには合格する」と、家族の顔を思い浮かべ、何度も自分に言い聞かし、ひたむきに学習を続けた結果、人生初、英検1級に合格することができました。

英検1級に合格した、3つのポイント

ここからは、英検1級合格に向けて過ごした60日間の、実際の使用教材や学習法について話したいと思います。まず、結論として私が英検1級に合格できたのは、次の3つの要因が大きかったと思います。

  1. 語彙力の強化
  2. 英作文力の強化
  3. スピーキング力の強化

1.語彙力の強化

まず、「語彙力の強化」についてですが、1級の試験を始め、英検の試験は大問1に短文の語句補充問題があります。そこで出題される語彙・イディオムが、とてつもなく難しいと言われているのが英検の1級試験です。

問題数が25問あり、勉強を始めた頃は、この語彙問題を半分くらいしか正解することができませんでした。この状態から語彙学習を重ね、25中19点(76%)の正答数(率)を当日の試験で取ることができました。この成長は、スコアアップに繋がる重要な要因の一つでした。

2.英作文力の強化

次に、「英作文力の強化」です。これは、私にとって目からうろこだったのですが、英作文の配点が、語彙や長文に対してとても大きいということに気づきました。加えて、私は英作文に苦手意識を持っており、最初は全くと言って良いほど文章を書くことが難しい状態でした。

配点上、英作文の比重が大きく合格には欠かせない要素だと確信してから、本気で対策し始めました。そして、当日、英作文から解きはじめ、かなり手応えのある文章がかけた気がしていました。その確信通り、32点中25点(78%)のスコアと取ることができました。

3.スピーキング力の強化

最後に、「スピーキング力の強化」についてです。英作文同様、英語を話すことに関しては苦手意識がありました。特に、語彙力が不安で、国際的な社会問題について2分間のスピーチをしたり、質疑応答をしたりすることは最も大きな課題だと思っていました。

しかし、スピーキング力の強化の大切さを理解し、発音や文法など言語的な側面と、時事ニュースの情報収集や日本語での因果関係・解決策を考えるなど、ソフト面とハード面を両立するイメージで鍛え、40点満点中32点(80%)のスコアで合格することができました。

以上、「語彙力の強化」「英作文力の強化」「スピーキング力の強化」が主な合格の要因だと思います。次に、実際にどんな教材を使って、どのように勉強していたのか、紹介していきたいと思います。

英検1級試験に向けて使用した教材

以下、実際に使用した教材(ペーパー・オンライン)を紹介します。ペーパーのものは主にメルカリで元の価格より安く調達できました。また、元々持っていたものもあり、そもまま使いました。何より、オンラインでの情報収集や試験対策が、今回の合格に大きく貢献していたと思います。では、使用教材一覧を紹介します。「⇒」はそれぞれの教材は「○○対策に役に立った」ということを表しています。

  1. でた単 Stage1のみ ⇒(語彙)…『Morite2』さんのYoutubeで紹介されていて知った。
  2. 英検1級リスニング問題150 ⇒(リスニング・リーディング)
  3. 英検1級英作文問題 ⇒(英作文・リスニング)
  4. 英検1級過去6回全問題集 ⇒(語彙・リーディング・リスニング・英作文)
  5. 英検1級面接大特訓 ⇒(英作文・スピーキング)
  6. 英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング ⇒(英作文・スピーキング)
  7. Yomiuri editorial 日英対訳 ⇒(スピーキング)
  8. Youtube 『eigofile』Atsueigoとのコラボ、英語でSDGsシリーズ等 ⇒(英作文・スピーキング)
  9. Youtube 『MOMIJI Plus』 ⇒(英作文)
  10. NHK world radio japan ⇒(スピーキング)
  11. News in Brief – UN News ⇒(スピーキング)
  12. ChatGPT4 ⇒(英作文・スピーキング)
  13. 自作ノート作成 ⇒(英作文・スピーキング)

ペーパー系は、赤文字部分で2~6です。文部科学省後援の教材で、特に過去問を数多くこなすことを念頭に参考書を選びました。音源がついているものは、『英語の友」アプリでダウンロードできたり、iTunesに入れておいたり等、いつでも音声を確認したりシャドーイングしたりできるようにしていました。オンライン系は、(iPhoneアプリ 有料)、7~9(読売新聞オンラインとYoutube)、10・11(Podcast)、12(ChatGPT4iOS版有料[\3000])です。それぞれの教材の特徴や具体的な使い方・使用感などの感想は、また時間を取ってお話ししようと思います。

教材選びにおいて大切だとおもうことは、以下の3点です。

  1. スキマ時間にできること
  2. やろうと思えばすぐにとりかかれること
  3. 本番を想定して取り組めること

こうした点を踏まえて、特に、語彙学習で『でた単を選んだのはナイス!と自分を褒めてあげたいくらいです。①~③の全ての要素を満たしていると思います。携帯ででき、音声読み上げ機能も有り、数多くの辞書やオンライン上で実際に使われたインタビューの場面などのリンクがすぐに確認でき、語源等を効率的に結びつけながら記憶に定着させていくことができます。X(旧Twitter)ででた単についてポストすると、でた単の運営の人にリポストとコメントをしていただき、とても嬉しかったことを覚えています。運営の中で受験担当という方が居るらしく、「一緒に頑張りましょう」と励ましていただいたのは、最後まで語彙学習を頑張れた要因になっていたと思います。

また、ChatGPTを用いて英作文やスピーキングの練習をしていたことで、本番のパフォーマンスに大きく貢献していたと改めて強く感じます。自分が書いた英作文の文法的誤り等と訂正&リライトを依頼し、できあがった(私の言いたかったことを代弁してくれた)文章を自分のものにするために暗唱を繰り返しました。スピーキング対策では、「お題の出題⇒スピーチ⇒質疑応答⇒フィードバック」の流れをプロンプトし、ひたすらスピーチや応答を吹き込み続けました。全てをひっくるめて、この作業が、英検1級合格、そして、英語力向上に一役かっていることは言うまでもありません。

『でた単』にしろ『ChatGPT』にしろ、『Yomiuri online』やポッドキャストにしろ、やはりテクノロジーを活用して、自分の生活に最適化させた学習方法を確立できたことが、勝因の一つだったと感じます。

英検1級に合格した学習方法

次に、少し具体的に、○○力の向上のためにどんな風に学習をしていたか、気をつけていたことは何かなどを話していきたいと思います。

① 語彙力の向上

主な教材:でた単

背景知識(語源等)を踏まえて、記憶に定着しやすくする
音と文脈を踏まえて、実際の使用例を確認し、使えることを念頭に置く
Stage1は、完璧にできるようにしておく

② 実践力の向上

主な教材:過去問

・過去問をやってみて、解答解説を確認後、もう一度じっくりと解いてみる
・時間を計らずに解いてみる(1回)⇒自分の実力を知る
・時間を計って時間内に解けるところまで解く⇒点数化し、残った問題も解く(1回
・時間を計って実際の要領で解く(2回
・リーディング問題
 じっくり時間をかけて構造的に理解し、音読を重ねて英文の情報力(文法・構文・語彙)になれる
・リスニング問題
 リーディング問題として読み込んでみる。その上で聴き直したり、シャドーイングを繰り返す

③ 英作文力の向上

主な教材:過去問、ChatGPT、携帯の検索(日本語で)、自作ノート(因果関係など図示)

・過去問や問題集から意見を述べる切り口(アイデア)をまとめておく
・日本語で情報を収集し、プラスの観点3点マイナスの観点3点をそれぞれ要点として書き出す
・ブレインストーミングをして「原因(問題点)・結果・対策」の視点からアイデアを書き出し、ストック
・作成した英作文を、ChatGPT4に添削プロンプトを与えて、ミス訂正等含めリライトする
・(直前)英作文の型を暗記し、単語を入れ替えるだけの状態にしておく

④ スピーキング力の向上

主な教材:面接大特訓、過去問、ChatGPT4、自作ノート
日本語で情報を収集し、要点をまとめ、自分の意見として言語化できるように落とし込んでおく
・YoutubeやCDのモデルスピーチを覚えて構造やアイデアを自分のものにする
・「Yomiuri editorial」等から、関連する時事情報を入手し、英文化し、表現やアイデアとしてストックする
・「出題⇒スピーチ⇒QA」を行うプロンプトを与え、実際にしゃべる
・ネタ原稿としてGoogleDocumentにストックし、プリントアウトして自分用のアイデア冊子を作っておく

まとめ

以上、学習方法をお話ししてきましたが、英検1級合格のために特に大切だと思う点はつぎの4つです。

  1. 過去問を重視して学習し、最短・最高効率な学習すること。
  2. 英作文の配点(比重)を理解し、しっかりと対策すること。
  3. ChatGPT4を用いて、自分の意見を論理的な文章に再構築させ、定着させること。
  4. テクノロジーの最大限の活用と、弱点(発信力)を克服しようと自分と向き合えたこと。

英検1級は確かに難しい試験ですが、きっちりと対策学習をこなせば必ず合格できる試験です。そのためには、現在の自分の位s置を正確に理解し、苦手な点を重点的に、それ以外の箇所も網羅的に学習を進めていく必要があります。

テクノロジー(アプリやニュース記事等)の活用や、自分との対話を大切にし、さらなる高見をめざしてみてはいかがでしょうか。

今後の課題

最後に、今後、また英検1級受験を目指すに当たって、いくつか課題(弱点)を挙げておきたいとおもいます。次回受験の時には、1つでも課題が克服されていることを願って行動していきます。

  • CSEの向上⇒語彙力の強化
  • AuthenticでUbiquitusな学習素材(オンライン)を有効活用⇒経済的・持続可能・実用的
  • リーディング(正確性・速読力)
  • リスニング(正確性)
  • アクティブボキャブラリー(増強)
  • 時事ニュース等、知識力

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